カラスビシャク

 

学名:Pinellia ternata (Thunb.) Breitenb.

科名:サトイモ科  用部:塊茎

生薬名:半夏

用途:鎮咳、去痰、鎮吐

代表的な漢方薬:半夏厚朴湯、小青龍湯

説明文:
カラスビシャク(烏柄杓)とは、中国、朝鮮半島および日本に分布し、山地の道端や畑地に自生する多年草で、畑では雑草になる。コルク層を除いた塊茎は、栗の形をしてへそのようなくぼみがあるため「ヘソ栗」とも呼ばれ、農家の婦女がこれを薬種商に売って小遣い稼ぎにしたことが「ヘソクリ」の語源になったとされる。半夏にはシュウ酸が含まれるので、特有の「えぐみ」があって、単独では飲みにくく、むりに飲むと逆に嘔吐をする場合がある。また半夏は去痰、鎮吐、鎮静などの目的で、多くの漢方薬に配合されるが、えぐみを抑えるため生姜と配合して用いられることが多い。

薬草の詩:
カラスビシャクの群生が必ずあるはずという思いを、ずいぶんと永く筆者は暖めていました。十数年もたったころでしょう、あったのです。それも、いつも歩いている散歩道の、つげの垣根の下に。梅雨どきになって、特有のカラスビシャクの花柄が伸びていました。
畑の中で、もしカラスビシャクの群生を発見したら、その畑だけは農薬を使っていませんヨという「宣言」に近いものです。(双竜子)

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