ニッケイ

 

学名:Cinnamomum sieboldii Meisn

科名:クスノキ科  用部:根、幹や枝の皮

生薬名:桂皮・肉桂

用途:芳香性健胃、解熱、鎮痛

代表的な漢方薬:桂枝湯、桂枝加竜骨牡蛎湯

説明文:
国内では和菓子の材料として用いられることが大野のですが、鹿児島でも防腐効果のあるニッケイの乾燥葉に挟まれているけせん団子というお茶菓子がよく知られています。根を、食欲不振や消化不良に利用します。

薬草の詩:

薬剤師会でみどりの日(4月29日)に、盲学校の生徒さんを薬草の森に招待しました。目の不自由な子供たちに薬草と人間とのつながりを感じとってもらえたらと思ったのでした。
私たちは、味と匂いがある薬草を教えていきました。ハッカ、キハダ、ドクダミ、ニッケイ……だれかが「ケセンだ?」と言いました。味でわかる生薬は、味が心まで染みていました。なつかしい「ケセン」に子供たちはうれしそうでした。あの日の感動を忘れることはできません。
鹿児島ではこの葉で包んだ団子を「ケセンダゴ」といって、母が作ってくれたものでした。
ニッケイは暖地に栽培される 常緑性の高木で、葉は先がとがって葉脈が3本ゆったりと走っているのが特徴です。
日本薬局方では、精油成分を 1.7% 含み、その主成分はケイヒアルデヒドで約6.7% を含むとされ 芳香性の健胃薬として家庭の胃腸薬によく使用されています。
漢方薬で使用される桂枝は、かおりも味も良いもので、ベトナム産が良いとされます。
漢方処方としてはたくさんありますが、「桂枝湯」、「麻黄湯」「苓桂朮甘湯」、「五苓散」などにおける桂校の役割は重要です。漢方における聖書のような「傷寒論」という本の一番最初に出てくる処方が「桂枝湯」で、この「桂校湯」を基本にして種々の処方に変化してゆくという漢方を志す者にとってはさけて通れない生薬の一つです。

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